しゃべり場
2024年6月11日
これからの構想・アイデア・夢を公開!
── HPのこちらにフィロソフィがありますが、具体的にはどんなプロジェクトやステップがあるんでしょうか。
伊東:まず第一期として、2023年12月〜2024年1月に、3つの店舗オープンと庭の改修を実現させ、敷地の一部を、人々の憩いの場として甦らせました。
湯川:それが「Sake Cafe にじみ」「Restaurant gnaw」「蔵の店 かめくち」です。広い敷地を利用して、数ヶ月おきの定期的なイベント「亀崎酒蔵祭」「蔵シカルmarché」も開催してますね。
── おやこ食堂も月1ペースで行われていますよね。
伊東:はい。これからの第二期としては、酒蔵をガイドする定期的なツアーや、明治天皇が泊まるために建てられた本宅を修繕して宿泊施設(オーベルジュ)にする計画をしています。これは2027年までに取り組みたい事業。
湯川:同時に、亀崎の町の中にいくつか店舗を作ろうと思ってます。
伊東:昔、ここの敷地はもっと広くて、土地はこの敷地以外にも点在してたんです。その場所を活用した新たな店舗も、数年のうちにオープンできれば、と。
── こんな店作りたい、あんな店作りたい、っていうプランとしては?
伊東:えっと、日本酒が気軽に楽しめる大衆居酒屋とか、ラーメン屋さんとか、場合によってはスナック。そこではカラオケももちろん楽しめて……。個人的な欲求としては、むしろカラオケありき(笑)。あと、髪切りたいから美容院ほしい。これも個人的な要求。
── 一同(笑)
伊東:真面目な話だとコワーキングスペース、雑貨屋さん。シェアオフィス、ゲストハウスなどの宿。あとなんだろう。
体験できる場を増やしたい
湯川:伊東さんは「体験できる場」を作りたいといつも言ってますよね。
伊東:そう! 第三期として、近い将来には、短期滞在での酒仕込み体験や、田んぼでの田植え・収穫体験、大工や左官、漁業、知多木綿の織物経験など、職人の伝統技術に触れて体験できるような場所や企画を作っていきたくて。
── 「歴史と文化、なりわい」に触れる試みですね。
伊東:場をつくるというよりも、農業や漁業が残るための農業体験を定期的に組むとか。一時生産者さんや職人さんにもうちょっとフォーカスして、光が当たるような。その仕組みを1個1個つくりたいなと思ってます。その職業になりたいっていう子どもたちを1人でも多く作りたいな、って。
いとなみや産業を観光資源に
伊東:亀崎や知多半島全体は、観光地というより「いとなみの町」だと思ってるんです。産業で栄えた地域なので。見せるっていうよりもやっぱり「体験する」「そこで生活をする」っていうところに軸があると思ってるんですよね。
── 突き詰めると、そうなのかもしれません。
伊東:今それが観光資源になり得る時代になってきてると思うので。「それを体験しによそから来る」みたいな。そういうのって基本的に利益率が高く、原価があまりかからない。そういうのを求めるお客さんは、プラスαでドーンってお金を支払いしていただけるような方が多いですし。それこそ「モノ売りじゃなくてコト売り」って言われてるものの実現になると思いますし。
── なるほど。
伊東:今後、生産人口が減っていく中で、この地域が生き残っていくための1個の大きな軸になるんじゃないか、と。過去から現在・未来に続くパターンなのかな、って。
角打ちだらけの町もアリ!?
湯川:ところで、ギャグみたいなアイデアですけど、角打ちがコンビニレベルでいろんなとこにある町って面白くないですか? 法律関係は一旦、置いといて。
伊東:面白いね(笑)
湯川:そういうのが町の色や、町のキャラクターになりそうだな、って。
── ハシゴしたくなりますね。
湯川:やっぱり「町ぐるみ」で何かやんないと、その町の色が出ないことってやっぱりあるような気がして。香川の讃岐うどんの店もそうじゃないですか。うどん屋さんが町中に点在してるから「香川=うどん」ってイメージあるし。例えばタイとかベトナムとかは足つぼマッサージの店がやたらたくさんあるから、そういうふうな街っていうイメージになる。
── たしかに!
湯川:実は亀崎には昔、酒蔵が40くらいあって「お酒の町」って言われていたのも、1つのドデカい蔵だけがあったんじゃなくて、点在してたっていうのがポイントなのかなって。そう思うと、再び「お酒の町」と印象付けるなら、何かこう、ね、町のちょっと空いてる場所や店先のカウンターの部分を、たとえばフランチャイズみたいな形で展開して、元締めを伊東さんがやってる、みたいなものを「遊び」としてで考えてみるのもちょっと面白いのかなって。
── いろんなノウハウやおつまみは、伊東さんが提供していく、という。
伊東:これ面白いね。やたら酒屋が増えるけどね(笑)
湯川:「角打ちFC」みたいな。お酒の法律関係を調べる必要があるけど。なんかそういう町があったらおもろいっすよね。行きたくなりますよね。
伊東:1階は角打ちで2階が家みたいなところがいっぱいある、みたいなのも面白そう。主婦の人がそのときだけ降りてきて酒を出してくれる、みたいな。
── ちょっとスナックのママ感覚でやりたいという人、いますよね。
伊東:いっぱいいる(笑)。
湯川:参加条件は築60年以上の家とか。
(この後ブレストで盛り上がる)
古い建物といとなみを活かすために
伊東:そう、古い建物を残して生かしながら、そういった「いとなみ」を1個1個つくっていく事業に取り組みたいんです。ただ、酒蔵のように古い建物を活用するには、このエリアの建築の条例が、京都や金沢のようになるといいなと思っています。
湯川:僕たちはきちんと半田市、名古屋市、愛知県など、行政の方達に話をして進めているので。現在のこのエリアの条例の範囲内で、改築をしているんです。
伊東:でもその条例が、京都や金沢のような枠組みになれば、いま活用できていない蔵や会議室を、例えばレンタルとかで貸し出すなど、幅広い展開ができるし、仕事も広がっていく。付加価値も増えると思うんですよね。
湯川:本当の意味で資源が使えるようになる感じですね。
伊東:いまJR武豊線は半田駅周辺で高架化工事が行われていて、その完成が令和9年(2027年)。それまでに、たとえば名古屋から亀崎および半田市へ来た人が、3〜4時間は滞在できる場所をつくりたい。それって1箇所だけじゃなくて、2ヶ所3ヶ所だと思うから、その基盤を作るのがまず目標です!
── JRと連携するような動きもあるんですよね。
伊東:そうなんです。あとは、他県の行政の方の視察もあったりします。いろんな方と協働しながら、多くの人に亀崎という町を知ってもらい、日本酒と一緒に”わくわく”を体験してもらえたら、と思ってます。
湯川:ということで、いろんな店舗や体験の場、イベント、ワークショップを主催したい人から、企画、運営、アイデア提案したい人、業務提携したい人、新たなりわいを作りたい人、投資したい人、支援したい人などなど、ぜひJoinしてもらえたら嬉しいですね。
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